「良く出来ている良い映画だと思う」
「ポイントはどこだい?」
- 明らかに日本じゃないテイストが入っているが、他の自称日本を描いた映画に比べればマシ。主に日本を題材にした無国籍東洋アクションと思えば気にならない
- 人形アニメーションの質が半端ない
- それにも関わらず、物語作りが有自覚的で上手い
- 伏線もきちんと活用されている
- 【折れずの剣】を回収するくだりでは、多数の剣が刺さっていてどれが本物か分からないという形で緊迫感を高めていて上手かった
- 主要登場人物が極度に少ない (映画が分かりやすい)。分かっている証拠
- それでいて、極端な特徴が付けられていて、キャラが分かりやすい
- 映画が物語論そのものである。映画には【終わりの無い物語に終わりを付ける】【永遠に続く物語の否定】【物語には終わりがあることの明示】【どうすれば物語が終わるのか似付いての有自覚的な明言】などが含まれる。
「どういうことだい?」
「前に【映画は終わるために始まるみたいだから嫌いだ、テレビの方が良い……】と言って素人を丸出しにして白けさせた監督がいたが、要するにそういう感性に対する明示的なアンチテーゼだよ」
「それは重要なのかい?」
「そうだな。自分の感性はけして孤立していないことが分かって良かったと思うよ」